おから
高たんぱくの激安食材として役立つおからです。
かつては豆腐屋さんなどで豆腐を作る時に出る大量のおからを無料で配っていたり、
最近では無料で配ることこそ無いものの、おからを煮たものを安価で販売していたり、
スーパーで安く売っていたりします。
おからとは
おからは大豆から豆腐を製造する過程で、豆乳を絞った際に残るかす。日本、中国、韓国など、豆腐が存在する東アジア一帯ではなじみ深い食品である。食物繊維を多く含み、火を通して食べることが多い。
大豆から豆乳を搾った後の残りであるところから、値段はごく安価で庶民的な食品である。場合によっては豆腐屋が無料で分け与えたり、捨てたりすることが、古く江戸時代からあった。現在では食品としての需要が供給を大きく下回り、また品質の劣化が早く日持ちがしないため、家畜の飼料として一部を活用するか、脱水して保存性を高めて食品原料として供給される他は、多くが廃棄されている。
豆乳を搾った後の残渣物だが、栄養的には優れている。一般分析値を見れば、乾物中の成分は粗蛋白質が約26%、粗脂肪は約13%、可溶無窒素物が約33%、粗繊維が約15%と栄養価が非常に高い。通常は水分を約75%から80%含む状態で流通している。
調理法
卯の花 - 油揚げ、椎茸、にんじんなどの材料も使用し、出汁と調味料で炒ってから甘めに煮付けるのが最も一般的な調理法。そのため、炒り卯の花、または単に卯の花と呼ばれることが多い。おから自体の甘みと相俟って独特の風味がある。
豆腐ハンバーグのように、揚げ物や肉詰めなどの料理に、肉の代わりとして用いることもある。水分をよく切るのがコツ。カロリーを抑える効果がある。
近年は食物繊維が豊富な食材として、ケーキやクッキーなどにも利用されている。ホットケーキミックスに混ぜて焼くだけでも、独特の食感が味わえる。
鯛の唐蒸し - 石川県金沢市では、背から切れ目を入れた鯛におからを詰め、蒸した鯛を2匹腹合わせに盛りつけた料理が結婚披露宴で振る舞われる。高知県中部にも、鯛の腹におからを詰め、蒸し物にする独特の郷土料理がある。
卯の花汁 - サケ、ブリ、ニシンなどの塩蔵魚、特に頭やアラを利用するのが美味い。鍋にたっぷりの水を入れ、塩魚を適宜に切って最初から入れ、中火にかけて気長に煮出し、ダイコン、ニンジンを半月形またはイチョウ形に薄く切ったものと、コンニャクを適宜むしり込み、油揚げを刻んで加え、煮えたころ、ねぎの五分切りを入れ、卯の花をドロドロになるくらい加える。魚の塩味だけで薄ければ食塩を加え、また適宜、酒を加える。味噌を加えることもある。薬味には青のり、こしょう、七味蕃椒など。
卯の花鮨 - 卯の花を煮出汁、みりん、塩で調味し、鶏卵の白身を加え、絶えずかき混ぜながら炒りつけ、少量の酢を合わせてよく冷やす。別にイワシ、小あじ、コハダなどを普通の寿司だねのように作り、塩を振りかけて酢につけ、肉が白くはぜるころ引き上げて酢を切り、卯の花を普通の握り鮨のように握り、上に酢魚をつけ、刻みしょうがなどを添える。広島県、岡山県のあずまずし、愛媛県の丸ずし、新潟県のから寿司など。
大分県臼杵市ではきらすまめしという、醤油漬けの魚を和えた郷土料理がある。
卯の花膾 - 鯛、サワラ、ヒラメ、スズキ、アジ、サバなど好みの魚を刺身ほどに切ってかぶるくらいの酢につけ、塩を少々くわえ、はぜて白くなったら引き上げ、残り酢を酒または味醂、砂糖などで調味し、卯の花はまず空炒りして水分を除き、塩、砂糖で下味をつけ、火から下ろしてよく冷やしたところへ調味酢を合わせ、魚をその中にしのばせる。麻の実を炒って混ぜると、香ばしい。小鉢に盛って刻み生姜を乗せる。
卯の花飯 - 卯の花を煮出汁、酒、砂糖、塩などで好みの味に炒り、酢を加えてご飯の上に乗せ、刻み生姜を添える。炒り卵、炒麻の実などを加えることもある。
富山県などではおからをそのまま使い、油揚げやネギを入れて味噌汁することがあり、「ごーじる」と呼んだが、「呉汁」を簡易にしたものと考えられる。
埼玉県行田市にはゼリーフライという、おからと茹でたジャガイモをベースに、ニンジンやネギなどの野菜を加え、コロッケのようにまとめて素揚げした郷土料理がある。